僕は最近よくお風呂の魔法に助けられている。
どうしても作業をするモチベーションの上がらない時には、お風呂に入ってシャワーを浴びる。
全てがオフになるんだ。
頭の中に広がる収集のつかないモヤモヤが次元を越えてお風呂の湯気と混ざり合って頭から抜けていく。ような気がする。
二つの選択に迷っている時には、シーソーの両端がつかない状態でフラフワ保たれているようなイメージへと移り変わる。不思議とそんな不安定な状態でも心地よい感覚。お風呂の蒸気がクッションとなって。
あっ、空気で膨らんだ大きな動物みたいな風船の中に子ども達が入ることができて、ぴょんぴょん跳ねることができるやつ。あれにも似てるかも。その空間の中に選択なんてない。ただ無心にカラーボールなんかと戯れながら飛び跳ね続けられればいいのだ。
あの感覚に戻れる場所がお風呂なのだろうか。
裸になってお湯を浴びる。
アトピーのかゆみなんて吹っ飛ぶよ。
お風呂は僕にとって現実と夢の狭間のような、不思議な時間。
夢ではストレスなんて、不安なんてない。
夢は適当に開いた記憶の引き出しの中身によって無理矢理に、でもなぜかスムーズにストーリーが進んでいく。
そうだね、僕の現実も、ちぐはぐとした部分は夢の世界とそう変わりは無い。
現実の中のお風呂の時間は、夢の世界の一部分を持っているのかもしれない。
お風呂の時間は、現実が夢のごとくスルスルとスムーズに、そしてシンプルに考えられる時間。
お風呂は、硬直した脳を、ゆっくりほぐしてくれる場所。迷路に迷い込んだ思考に、次へと進む光を照らしてくれる場所。