時間があきましたが、板橋区立美術館で行われた絵本のワークショップ、夏のアトリエのレポートを記したいと思います。
画像いっぱいです。
今回の先生は、フランスの絵本作家、エレーヌ・リフ先生。
遊び心たくさんの素敵な人でした。
エレーヌの奥にいる人は、絵本の翻訳家のミサオさん。
今回はエレーヌと僕たちを繋ぐ通訳をしていただきました。
印象的だったことの一つは、エレーヌのやることには明確な目的がないことがたくさんあるということです。
これなんてさ、みんなで描いたアイデアの紙で、みんなで笹舟を作って、輪っかに並べて、写真にはないけれど最後にエレーヌが真ん中にビー玉を置いてできた!みたいな。
それでどうするってわけではなくて、その感覚を楽しむという感じ。
アトリエ初日は、先生の用意した課題をこなしながら、頭の中を柔らかくしていきました。
そして2日目に、幼い頃の自分と動物とのエピソード何個かをグループでおしゃべりしあい、その後みんなの前でいいなと思ったものを一つ発表するということを行いました。
そして、じゃあそのエピソードを絵本にしてみましょうということで、3日目からダミー作りに入りました。
エレーヌにダミーをみてもらう機会があったのですが、新しい提案がポンポンでてきます。
8ページという規定はあったもののエレーヌからはそこに収まりきらないほどのアイデアがでてきてどうしようという感じでした。
そのことをエレーヌに言うと、画面を分割すればいいじゃないって。
そりゃそれもありだ!
自分の頭の固さを感じました。
3日目にはダミーがある程度形になりました。
人によっては着彩がかなり進んでいる人もいました。
そして4日目前半、おもしろい作業がありました。
まず描いている絵を、窓にかざして別の紙にトレースします。
窓から光を感じながら行うこの作業も感覚的でした。
そして、そのラインだけの紙を、別の受講生の人に着彩してもらったのです。
僕も別の人の作品に色を塗りました。
なんとも不思議な感覚でした。
自分の作品だと思うと肩に力が入ってしまうのですが、それがない。
重力の小さな世界で色を塗っているような感覚。
自由でした。
自分の作品も、これに近い感覚でやればいいんだ。やりたい!そう思えました。
他のみんなにとってもこの作業はよかったそうで、その後の作業がぐんと進んだそうです。
4日目はみんな夜遅くまで作業をして、5日目はいよいよ講評です。
まず、みんなのジャバラ状の絵本を糸でつないで、、
大きな輪にしました。
絵本の関係者の方々も見学にみられました。
大学の指導教官の先生も。ドキドキ。
そして一人一人の発表です。
ここも少しドラマチック。
さっき輪にした絵本を、もう一度一人一人が自分の作品を外して発表に向かうという流れです。
胸がくすぐられる気持ちでした。
最後の人が近づくにつれて残りの帯が小さくなっていくことで、ワークショップの終わりが近づいていることを感じさせられました。
プロジェクターに映し、絵本を読み聞かせる形で発表。
今回の受講生は20人でしたが、好きな絵や作品がいくつもありました。
エレーヌの言葉の中には印象に残るものがいくつもありました。
最後の発表の時、エレーヌから一人一人に対するコメントはありませんでした。
そのことについてエレーヌは、もう完成してしまった作品に口をだしても仕方ない、今この時間は出来上がった作品を楽しむことが大切と言っていました。
素敵な考えだと思いました。
今回のワークショップで、具体的にここを学んだみたいなことは言葉にしにくいのですが、大きな感覚的な収穫は大きかったです。
作品をまとめがちな僕にとって、エレーヌの道草をしながら制作をするような感覚は、大切にしたい、影響を受けたい感覚だなと思いました。
今回僕の作った絵本です。
ここのところ何年も、パソコンで描くということばかりだったので、手で描くこの感じは新鮮でした。
高校時代の油絵制作を思い出したり。
小学校の時の制作、高校の時の制作、大学生のときの制作、時代ごとの制作手法のブレンドされた表現を、これから探し求めたいと思いました。
この考えなんかは、ワークショップ以前にはありませんでした。
これもそうで、多くの部分で学べることの多い経験となりました。
ほんとに、参加できて良かったです!
エレーヌありがとう!
美術館の関係者の方々にも感謝です!
実は、、今回の受講生のエレーヌ組で、今後グループ展をしようって話があったり!?
夏のアトリエはまだまだ続きそうです。
出会いは素敵だ☆