どうして人は旅に出る?
福井に来て、広い庭のある古い邸宅を見学して、板の間の冷たさを足で感じ、池とその奥の木々を見て、
その後、電車から見える遠くの山々の輪郭を、日本画の技法のようだと少し考えていたときに、
自分自身の存在が日常から、薄いレリーフの凸部のように少し浮き上がったような感じがし、その時、少し旅を感じた気がしました。
日常から離れ、自分が今、居ることを確かめる行為、なんて。
中くらいの浴槽の中、口の下くらいまで湯船に浸かっているときにも、そんな気持ちになりました。
そういうことを思わない旅は多いけれど、今回の旅はなんだか。